Cから始まった時間

還暦を迎え、これまでのこと、これからのことを毎日書き残したいと思います。

Yukiyanagiの思い出

思い出の曲


実業団の長距離選手が引退レースに臨んだ
正確に言えば、引退とは聞かされていなかったが
多分そうではないかと思っていた。


かれは同じ職場にいた。


不器用で世話の焼ける奴だったが
本当に可愛かった。
素朴が洋服着てるみたいな…


部の通常練習ではない日曜日なども
走っているのを知っていたから
なんとなく励みになりそうな曲をCDにして
渡してみた。
一流ランナーなら当然の、余計な事。
でも彼は
「あの曲ばかり聴いている」
「先日、飲みに行ってあの曲歌ったらみんなに笑われた。
 お前今頑張らなくていつ頑張るんだ!と言われて…」
そんなことを話してくれた、その曲がYukiyanagi。


トラックレースの前に
両親が出てくるので、道案内をしてくれないかと
彼から話があった。
もちろん受けた、初めて彼のご両親とあった。


最後のマラソンレースは本人の思うようにはならない結果だった。


これも当然やってはいけないことこと(←超反省)
最後のカーブを曲がっての直線
歩道を彼に声をかけながら並走した。
その様子を沿道でご両親が見ていた。


そのテレビ放送を見て彼のお父さんは号泣したと
彼のお母さんが電話で知らせてくれた。
ふたりでただ黙って、携帯握りしめて泣いた。
たった一度だけしか会ったことがない人と
言葉をかけあわなくても通じることができるなんて
始めてのことだった。
同じ思いでいたことを痛いほど感じた。


ここまで書くと美談
その後もかれはいろいろとやらかしてくれて
とてもおもろい人生を私にくれた。


そのこともいずれ書きたい。