Cから始まった時間

還暦を迎え、これまでのこと、これからのことを毎日書き残したいと思います。

きっと、彼が繋いでくれた

彼が逝ってしまった事実が突き付けられたのは
火葬場からもどって
彼が今まで使っていたふとんに多くのシミが出来ているのを
確認した時からだった。


あんなに絶望的な涙を

あんなに声をあげて流した事は

たぶんいままでなかった。


ペットロスを心配してか
長男からすぐにメール攻撃。
ネットで黒ラブを必死で探した内容だった。


高速道路を使っても3時間はかかる他県の警察犬訓練校に
2匹の黒ラブの飼い主を募集している記事を見つけた。
「縁」があったとしか言いようのない

知らない人のブログの記事。


連絡してみた…会いに行った。
それも家族5人で。
そこで偶然知った。
そこで多くの優秀な訓練犬を生み出した母親が
(うちの子には祖母犬になる)
同じ日に虹の橋を渡っていたことを。


彼が虹の橋のたもとで

「僕がいなくなったら心配なんや、あの家族。

 誰か側にいってくれんやろか」と

彼女にたのんでくれたんだろうか。

こうして二代目の彼女がうちに来た。


歩行が怪しくなり、寝たきりになり

食事が減り、心配が尽きなかった最後の一年。

それでもあの日々が次の子を迎える勇気をくれた。

絶対に最後まで看る自信をくれた。


後悔なんかありすぎるほど、ある。

その想いは必ずこの子に返していく。

彼はきっとそれで許してくれる。

ちゃんと恩送りしていく。


家族を繋ぎ続けた彼は

姿はなくなっても

これからも永遠に家族の思い出として

私たちを繋ぎ続ける。

すごい命だった。