Cから始まった時間

還暦を迎え、これまでのこと、これからのことを毎日書き残したいと思います。

いくら時間がたっても「ありがとう」

先週末 15年ほど前に退職した職場の同僚からlineが届いた。
「知っているかもしれないけど、彼が昨晩亡くなった。」と…


彼とは当時の係長
私よりも5歳は歳が下だったと思う。
私が入社したときはまだ平社員で
その内、液晶テレビの大ブームと共に新しい課が新設され係長になり、
あっというまに気が付けば数百人を束ねる工場長に抜擢されていた。
私のような者がいう事ではないかもしれないが
たぶんみんなが納得の人事だったと思う。
それくらい男気があって、人を大切にするやさしさと
的確な判断力と、どれをとっても彼以上の人をこれまで知らない
本当に何から何まで魅力的な人だった。
あげくに見た目もとても素敵なラガーマンだった。


リーマンショックで職場を離れても
何度か「戻ってこないか」と声をかけてくれた。
たまたま電話をくれた時が今の職場の入社の日で
今の職場の名前を言うと
「それは、そちらで働く方が良い。きっと大丈夫だから、頑張って」
そうエールをいただいた。
話したのはその日が最後、駅のホームでの事だった。


彼らしいお別れの会だったのだろう。
規模の大きくないご自宅の近くの葬儀場で営まれると聞いた。
お別れの会に足を運ぼうかとも悩んだが
結局 出勤前の早朝に葬儀社の前でお別れを、お礼を伝えてきた。
「今の職場でもあのころと同じように全力で頑張ってます。
 教えていただいたことがこれほどまでに体にしみわたっていることに
 心から感謝しています」と…

目の前の事から絶対に逃げない
どんな状況でもかならず人の話を丁寧に聞く


教えていただいたことはたくさんあるけど
いまはこんな事しか思い浮かばない。


葬儀場に近づくたびに心臓がドキドキし
ご葬儀の立て看板に彼の名前を見た時に
とめどなく涙がこぼれた。


彼がこよなく愛した家族の一員は
我が家と同じ犬種
仕事を離れた時にどの犬にも見せた
あの温かい優しいまなざしも絶対に忘れない。


私のような者にもここまで大きな存在となっている彼
彼と関わった職場の方にも間違いなく大きなものを残されただろう
その精神は永遠だと信じている。


こころからの感謝を…