Cから始まった時間

還暦を迎え、これまでのこと、これからのことを毎日書き残したいと思います。

人くささが嫌い

昨日の続き


幸田文さんが永井荷風さんのことを、こう言っていた。
「先生は人嫌いではないのだ。
 だが、先生にとって、
 人というものはほんのぽっちりしか要らないのだ。
 人くささが嫌いなのだ」


この一文で
あ~よかった、と安堵した。


仕事で付き合いのある年下の音楽講師が
ある日相談をしてきた。
その際に「すみません、友達がいないもので、愚痴を聞いてもらって」
と言ったので
「あら、私もそう」と返すと大変驚かれた。
仕事をしているときはそれが主な役割だから
よく話すし、愛想もよい…(←と自分では思っているが)
だから彼女にしてみれば、
私が友達がいないなどとは想像できなかったらしい。


友達いない…とは本当は微妙に違うと思っていた。
でもうまく表現できなかった
そうか「人くささが嫌い」なのか。
たしかに自分の周りにはほんのぽっちりの人がいればそれでいい
たくさんいると疲れるし
だれもいないと寂しいことこの上ないのだろう。


友達と旅行なんてごめん、とんでもない。
だから週末、好きなように時間過ごしていて
プチ旅行みたいな友人たちとのご一行を見て
楽しそう…とは思ってもうらやむことはまずない。
誰かに誘われればお茶にもいくけれど
自分から誘うことはまずない。


上司とそのおくさまが
食事に誘ってくださった。
食後のお茶

残り少なくなると
ハートの形になるという。
なんと粋な…

その音楽講師に
「自分という電車には
 入れ替わり立ち代わり、誰かが乗っては降り
 自分を支えてくれている。
 ずっと乗ってる人もいるし
 降りたかと思うとまた乗ってくる人もいる。
 必要な時に誰か乗ってくれてる。
 いつかこんな文章を読んだ、
 そんなもんでいいんじゃない?」
と言ったら、
「私長いこと乗せてもらってますよね」と笑った。