Cから始まった時間

還暦を迎え、これまでのこと、これからのことを毎日書き残したいと思います。

走るその背中を見ただけで

私の住む地域には実業団の陸上部が二つあるため
出勤途中に朝練の様子を見ることがたまにある。
そのひとつの企業に勤めていた時には
ほとんどの選手を知っていたが
もはやだれ一人知っている選手はいなくなった。
15年の月日が流れているのだから…


昨日の朝
忘れ物を取りに戻ったため
時間も道もいつもと違った。
遠く前方に一塊の集団が走っていた。
その一番後方…


あの背中…


「あぁ…」
何とも言えぬため息とともに
すでに涙が伝った。


走る姿をただ見るだけで
どれだけの力と感動をもらっていたか
あの頃の日々が鮮やかによみがえった。


この春から監督になられたというのに
こうやって選手と一緒に早朝から走っているのか
そうか、そうなんだ。


その前日 職場で持っていきようのない怒りの場面があった。
それでもなんとか持ちこたえていたと思っていたのに
たったその背中を見ただけで
これほどまでに涙が流れる
相当気持ち的に追い詰められていたことを
こうやって知る。


そうか、そうやって今後育てていかれるのか。


どんな言葉より
どんな励ましより
今の自分にとって必要なものをこの朝貰った。
神様はいる
まだ頑張るように言われた気がした。
今日も頑張れると職場に向かった。