Cから始まった時間

還暦を迎え、これまでのこと、これからのことを毎日書き残したいと思います。

撮ってあげればよかった

ネットで知ってはいたけど
図書館で見かけたときに胸が詰まった。

おばあちゃん、なんて良い表情をしてるのだろう
すべての写真で、そう思う。


母も柴犬が好きだった。
そもそも犬好きだった両親は
家を建てたのと同時に
裏の家に生まれた雑種の子をもらった。
その後捨て犬2匹飼い
ついに念願の柴犬を千葉に住む兄から飛行機に乗せてもらい
手に入れたのだ。
その喜びようと言ったらなかった。
その犬に子を持たせ
出産もしっかり3度も経験した。
その子たちを育て、多いときには5匹の柴犬が
我が家の庭を所狭しと駆け回っていた。
本当に柴犬が好きだった。


だから、撮ってやればよかった
一緒に。


母が亡くなった時
娘がわけのわからぬ行動をしていたような気はしていたが
こちらはすることに追われ、それがなんであるかを
葬儀の時に知ることになった。


棺の中を花で埋めるというのはよくある光景だが
娘は柴犬の写真で埋め尽くした。
自分のスマホなどに残っている犬たちの写真を
片っ端から印刷していたのだ。


叔母たちが「姉さん、柴犬が好きだったものね。喜んでるわ」と
いっているのを聞いて、母の喜ぶ顔が浮かんだ。


こんな娘である
きっと私や夫が逝くときは黒い犬の写真で埋め尽くすのだろう
想像するとなんだかうれしい。


それにしても福ちゃんとおばあちゃん
絆なんて言葉で片付けられないものを感じる
良い写真を残してくださったYASUTOさんに感謝