Cから始まった時間

還暦を迎え、これまでのこと、これからのことを毎日書き残したいと思います。

一気読み「ミシンと金魚」

認知症を患う私が語る…
帯の言葉に引き寄せられて手に取った。
金原ひとみさんがおっしゃっているように
すごい本にであった。


これは本当にすごい
読み切るまで閉じることができなかった。


異色の語り本
最初は認知症の方の妄想も含まれているのかとか
薄く読んでいた気がするが
途中から一気に濃くなり、すべてのことがつながってくる頃には
もうこの世界にずっぽりはまって動くことができなかった。


最後には掌の中に花畑が見えるのか…
母が生きてきた時代と重なる気がして
そして最後に母が花畑を見れた様な気がして


ミシンを踏んでいたカケイさんの人生が
同じように洋裁で生計を立てていた母と重なり
カケイさんが最後は幸せな思いを抱えて
みっちゃんと笑いあう姿が見えた気がした。
そうやって母が自分の人生を生き切ったと
納得したいだけかもしれないが…


私にとっては母とつながる
母を思い出す、忘れられない一冊となった。
すごい作品に出会えた。