Cから始まった時間

還暦を迎え、これまでのこと、これからのことを毎日書き残したいと思います。

思い出が次から次に出てくる場所

糸井さんの声が聞こえてきそうな空間
蝉の声と一緒に…


草壁さんちはいろんなところ実際に触っていいのだけれども
引き出しを開けるたびに「わぁ なつかしい」の声が飛び出す。
何度も見たくせに
あの時代風景が自分の成長と重なることを
今更ながら実感して、驚いた。

そういわれればそうか…
この缶詰がたくさんならんでいた箱は
ぜいたく品の極みみたいで、

箱をそれはそれは大切に扱っていた母

父の背広などは注文して作ってもらう時代
この箱も大切にとってあった。
「ベッチン」とラベルに書いてあるのを見て
洋裁をしていた母がベッチンと言っているのを聞きながら
「変な呼び方」と思ったことも懐かしい。
いまではそんな呼び方しないよな…

この唐草模様の大きな風呂敷
布団を包んでいたので、違う名前があるかも…
今もこれは我が家にある。
嫁入りの時に母が布団を持たせてときに使われていた。

タバコ屋を営んでいた祖母がキセルに煙草を小さく詰めて
美味しそうに楽しんでいた姿が浮かぶ
あの当時としては女性で

あれほどタバコが似合う人は
そういなかったのではないかと思うくらい、

とてもサマになっていた。

そしてこの水屋の引き戸
叔母の家にあったのだけれど、この中にいつも興味があった。
今では信じられないけれど
漬物や煮物などがこの中に入っていた。
冷蔵庫が普及してない時代を生きてきた人たちは
これがあたりまえだったのだろう…虫は来ないし。

思い出に繋がる人は

みんな旅立ってしまった。

それでもそこにいた感触がはっきり思い出せる。


しあわせだった。