Cから始まった時間

還暦を迎え、これまでのこと、これからのことを毎日書き残したいと思います。

白菜を植える

これは白菜か❓😅
白菜の苗を植えたつもりだった。
小さな家庭菜園に。

ま、なにも手をかけていないのだから
白菜もどきに文句は言わない。
もちろん収穫はしたい
でも、それより週末に見るその成長が
何より活力になる、嬉しい。


一年半前、
同じ職場で働いていた子らが
集まるからと声をかけてくれたランチ
ばばあはひとり^^;
あと2ヶ月で子どもが産まれるという子が
帰りに家まで送ってくれないかと、言う。
物静かで人に迷惑をかけるのを
何より嫌う子だから、あれ?とは思いながら‥


「楽しい後なのに、暗い話ですみません」と
いいながらその子はボロボロ涙を流した。
びっくりしながらも、運転はしてるし

ただただ話を聞くしかなかった。


つい先日の妊婦検診で異常が見つかり
たふん一生歩くことは難しい状況
ではないかと告げられたと。

これから多分何度も手術をすることに

なるんだと。


ほかの同世代仲間には言えなかったんだ。
みんなの楽しい話に合わせて
ランチの時間過ごしてたんだ。
どんな思いで‥


60にもなって、長く生きてきたくせに
かける言葉も見つからず、
しどろもどろの言葉も涙声。
情けなかった、悔しかった。


送り届けた後に
ホームセンターで目についた

白菜の苗を買った。

小さな菜園植えながらボロボロ泣いた。
毎日丁寧に水をやろう、
その度にあの子の成長を祈ろうと思った。


「毎日水をやるね。大きくするね。
おっきくなった頃、
おかあさんになってるかな?
あの子に会える日までがんばらないと
いけないね。
おかあさんに会えるの待ってるよ、きっと」
とLINEで植えた白菜の写真を送った。


『大事な事わすれかけてました。
 そうか、まずは無事にうまなきゃ
 あの子に会わなきゃ。
 そうですよね。


 旦那が隣でオイオイ泣いてます。
 ありがたいと泣いてます』


誕生日となる日の朝
八幡宮で祈りを捧げた写真と

白菜の写真を送った。


入院が長引き、食べてもらうことは
叶わなかったけれど、
毎年、この季節
あの子の誕生を思い出すきっかけが

ひとつできた。


成長の様子はLINEで届く。
職場にも何度も会いに来てくれた。
天使の笑顔である。


こちらこそ、ありがたい。


でも、未だにわからない。
なんで白菜だったのだろう。
もっと気の利いた樹木とか、花とか
よりによって食べてしまう野菜だなんて
60にもなって‥情けない。


白菜を植える、見かけるたびに

あの日を、あの子を思う。

それでいいのかも知れない。